Baby Steps

ゆっくりと歩む日々の眺めと言の葉

ドーイカムの麓のタイ王室が運営する山岳少数民族支援財団のロイヤル・プロジェクト・ショップにナムプリックなど食材を購入しに出かけた際、山の中のローカルなカフェで軽くランチを済ませて帰るつもりでいたのだが、あいにくそのカフェがお休みで、でもオーナーのマダムがわざわざ出てきて下さって暫くお話をしたり、看板犬?のシャイなわんちゃんと触れ合ったりと、ちょっとしたコミュニケーションのひと時を楽しむことができた。

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さて、じゃあお昼はどうしようか・・・となって、ロイヤルプロジェクトショップの向かいに、その食材を用いたレストランがあったことを思い出し、Google Mapのナビにそのお店を入れて向かったのだが、ナビの通りに山道を走って行ったら何故か麓の方ではなく、ドーイカムの寺院に着いてしまった。

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観光地としてメジャーなのはドーイステープだと思うが、こちらは観光客よりタイ人の方がよくお参りにいらしているお寺で、前回も近くまで行きながら何となく訪れる機会を逸していた場所だったので、偶然のようにナビにそこに案内されたのも、何かの計らいかとお参りさせていただくことにした。
(ちゃんと挨拶しに来なさいと呼ばれたような気も^^;)

田辺繁治氏の著書「生の人類学」という本の中にこんな一節がある。

しかしこれらの山やまは先住民ラワ人の領域であったといわれ、そこにはラワ人と征服民コン・ムワンの関係に関するかずかずの神話が残されている。西方の山やまは、いわば征服された先住民、あるいは精霊の住む周辺であり、また歴史的には征服民コン・ムワンの仏教が橋頭堡を築いた場所でもあるといってよい。このような西方の山やまの懐の森において、チェンマイのもう一つの重要な王国儀礼であるプーセ・ヤーセの精霊祭祀が開催され、王は先住民ラワ人の焼畑とコン・ムワンの水田の豊穣を祈願してきた。
 このようにチェンマイには中心と周辺、征服民と先住民、仏教と精霊といった明解な記号学的な対立がみられ、その関係は今日に至るまでサオ・インタキンの仏教的儀礼とプーセ・ヤーセの精霊祭祀という対照的な儀礼として存続している。

曲がりなりにも、その西方の山々の麓の森の一端に「場」を持たせて戴いたのに、一方のドーイステープ、中心のサオ・インタキンには詣でながら、ドーイカムに失礼したままというのも何となく気になってもいたし、今回タイ語の先生からの宿題で、チェンマイの様々なサーンプラプーム(ศาลพระภูมิ)と呼ばれる土地の精霊を祀る祠の写真を撮ってくるというミッションもあったので、そのチェンマイの精霊信仰とも関わりの深いドーイカムはやはり訪れることができて良かった。

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こちらはサーンプラプーム(ศาลพระภูมิ)

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