
春を待つ梢
2020/02/08
斜面に広がる雑木林の樹々の梢枝で
寡黙に春を待つ膨みを見上げながら
今年は少し切なく感じる。
この一帯も春先からは大規模な宅地開発が始まってしまうらしいから。
変わりゆくのが常としてもせめてそれまでの間はと、
このところはいつも同じルートを歩く。
整備されていない道を歩く触感や
地面に反応する身体を感じることは楽しい。
今歩くこの感触もまたプロセスの一点に過ぎないが、
混沌を経て生まれる秩序に出合うことを繰り返すほどに、
幼子のように動きや身体と出合っていく面白さも深まっていく。
特に孫が生まれてからのこの半年は、
まさに今育ちゆく過程に
程よい時間と距離をとりながら見守る機会に恵まれ、
発達の指標となる動きよりも、むしろそのはざまで
自ずと試行錯誤し学ぶ姿に感じ入ることが多々あった。
非を退けて是のみを求め
混沌を退けて秩序のみを求めるのは
天地の理をわきまえず
万物の情にうとい人間のすることだ荘子 秋水篇第17
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