調和を体感する
2020/08/31
あっという間に8月も終わろうとしている。
先日学生さんと顎のワークをしながら、「調和」ということを共に考えてみた。
当たり前のように使っている言葉。
それを体感してみようという試みだ。
顎のワークでは「あ〜」と声を出したりする。
その声を和音の中の一つの音に調和させていく。
佐々木基之氏の提唱した
「分離唱」という音感教育の手法だが
口を開くだけでなく、耳を開き、声を合わせる。
その声が過不足なく
和音の一つと調和していく時の感覚は
なんとも言えず心地よいものでもあり
また旋律という
横方向の時間を流れる音楽としてでなく
瞬間瞬間に生起する和音の中の音を
奥行きの方向で切り取ってそこに集中し
自分の声を寄り添わせていくような時間から
「調和」や「奥行き」に
新たな観点が生まれたとしたら幸いだ。
バレエやダンスでは声は出さないが
そうして耳を開いて調和を体験し
流れていくメロディではなく
瞬間の奥行きの中にある
ひとつの響きを
声を出すという行為と共に
感じていくような経験も
大切だと思う。
目まぐるしく情勢が揺れ動く
こんな時代だからなおのこと。
その分離唱をなさっている方々の賛美歌のハーモニーは
とても美しい。
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