Baby Steps

ゆっくりと歩む日々の眺めと言の葉

母の通院に付き添う時は
なんだかんだと待つ時間が長い。
そんな時iPhoneを眺めるのは何となく嫌だし
読書という感じでもないので
自宅に余っていた毛糸で小さな編み物をする。

子どもたちが小さい頃は
結構こうした手芸などもしたのだが
うん10年ぶりだと
手が作業を思い出すにも少し時間がかかる。

それでも、何の模様も入れない
シンプルな細編みを続けていると
やがて手もそのリズムや加減を思い出し
無心な状態が訪れる。

何かを創るという目的より
むしろ淡々と行為することへの集中。

小さな網目の一つひとつに
その瞬間瞬間の意識が宿るとき
手を動かすという意志のようなものは
どこかに大きく後退している。

時折、指先の触覚だけは呼び覚まされるが
這い続けているときの
時は流れない居心地と
それは同じ感じだなとも思う。

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