Baby Steps

ゆっくりと歩む日々の眺めと言の葉

鎌倉に住んでいた頃は

立春から雨水までのこの時期

お寺の山門などでよく見かけたお札

「立春大吉」

 

全ての文字が左右対称で、

その文字を裏から見ても同じように見えるので

入ってきた鬼も勘違いして出て行ってしまう

というところから

邪気を祓う意味があるのだそうだ。

 

入り口も、裏返せば出口になる。

 

めぐる季節の中で

陽に転じ始めた自然のエネルギーを

植物や、光や、スーパーに並ぶ春野菜など

暮らしの様々なシーンで

兆しとして覚えるようなこの時期は

そうした転換や循環を促そうとするような意識が

知らず識らずのうちにも働くのかなあと

この時期の予約状況などを見ても感じることがある。

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さて、今日はレッスンの中でも取り入れている

「新正体法」の創始者である宮本絋吉先生が

その著書に記された文をご紹介させていただこうと思う。

(ちょっと長いけれど^^;、時折用いる新正体法の背景のひとつなので、生徒さんのご参考になれば幸いだ。)

 

動きづらい方へ動かし、形の異常が正される角度をつくって数秒保ち

瞬間脱力することによって矯正していく新正体法は

橋本敬三先生の操体法の動かしやすい方に動かす方向の原理と

表と裏のような関係性かもしれないが

感覚をガイドに、身体が整うしくみを活用する身体調整法だ。

第三章 運動系医学の理論

種々多面に亘る治療法を学んだ中で、私に一番運動系医学の法則や関連性を納得させて下さったのは、橋本敬三先生の操体法理論でした。その理論とは、運動系から見た発病へのプロセスとして、人体は相関連動装置であり、自然法則への背反と環境の影響により、まず人体に歪みが発生し、次に感覚異常(愁訴)が起き、機能低下が起こりやがて器質破壊が発生し、病名が診断される。これを、自力的または他力的に法則にのったコースにより、正常な体に戻るバック運動を行うか、または鍼・灸・指圧・カイロプラクティック等により急所刺激を行うか、または息・食・想・動・環境を応用しての無数の形式の治療によりとにかく歪体を正体に逆転させる。すると感覚が正常化され、次に機能が正常化し、やがては器質破壊は停止し回復するという(人体の正体から歪体への変化は可逆的傾斜である)。以上の原理で正体に戻し、生活法則に随順し環境に適応していけば健康は増進するという考えから、医の道の哲理・倫理・論理として、

①完全正体絶対健康が人間の理想である。

②健康状態とはその人間の生活の結果である。

③健康とは他人の力によって与えられるものではなく、自ら創造すべきものである。それでこそ健康増進の可能性も期待できる。

④それには生活における自然法則の知識が必要である。

と言われ、その基本として人間(生命体)は自然環境の中で自己の生命を維持するために最低限自分でやらなければならない営みを4つあげておられます。

すなわち、生命エネルギーの収受入力(インプット)として呼吸(息)、飲食(食)また出力(アウトプット)として、精神活動(想)、身体活動(動)つまり息食想動の4つを責任生活必要条件としてこの4条件は自律可能(つまり自己の意識により自由にコントロールされる)である。この4条件と環境は同時相関相補性の関係にある。[つまり、呼吸も食事も身体の形や心に影響しまた心の持ち方は姿勢に影響し(たとえばがっくりすればうなだれる)、呼吸に影響し(がっくりすればタメ息)、というように呼吸と食と想念と身体と環境は必ずつながり、影響しあっている。だから身体の歪みを消しバランスの取れた正体にすることは正しい呼吸、正しく明るい想いの人、正しい食事をしやすい人を作ることになる。]

4つの営みにはそれぞれの自然の法則があり、その法則に従って生きる自然随順の人は健康への道を進み、自然に背反する人はペナルティで不健康疾病への道を歩む。どちらの生き方を選ぶかは人間の自由であるという理論でした。橋本先生は今までの身体だけの治療でなく、同時相関しているから、呼吸も食事も想念もすべて法則にのせる必要性を説かれました。それでは、次の章からは橋本先生の説かれた般若「身」経より息(呼吸) 食(飲食) 想(精神活動) 動(身体活動)の自然法則を説明し、それぞれに対する私の経験と考えを述べさせて頂きます。

宮本紘吉「新正体法」(昭和56年9月15日初版・昭和58年4月29日第7版)より―

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