
腕近腹
2021/02/10
前へ腕を伸ばす
何気ない動作の中で生じることが
ツールで胸郭下部を支えた時
中部、上部を支えた時とでも変わってくる。
それらから
どういうことが考えられるか。
その後のワークでの感覚入力や調整を潤滑にするために
それを予め言葉にすることも時にはあるが
ある程度学び重ねていらした方には
感じていることと、していることの違いを
むしろ客観的に見て、ご自身で修正を図って戴くことが多い。
そうして動くことを通じて捉えた働きの過不足を
ただ、ワークの中だけでなく
日常の、あるいはダンスの
どんな時に同じパターンが生じているのか
見出し、修正していく過程が
気付きで終わらせずに
精度を高め、洗練へと向かうために
欠かせないものなのだと思う。
そんな地道な過程を楽しんで下さる方々との
清々しい時間を過ごさせていただいている今週。
「腕」の動きであっても
肩関節の周囲の働きだけに限ったことではなく
肩甲骨周りや脇・脇腹など
体幹部の様々な働きが連動することは
皆さん先刻ご承知だが
○○筋といった解剖学用語のように
部位で切り分けた言葉ではなく
たまには、暮らしの中で何となく使っている言葉の
語源を考えてみるのも面白い。
これは新音義説を唱える方の
「ワキバラ」についての解釈だが
こう考えると、「腕」とそれに近い「胸」や「腹」との
繋がりが豊かに感じられるのではないだろうか。
一音節読みで、腕はワンと読み「ウデ」のことです。
近は、そもそもの漢語の一音節読みでチンと読みますが、
漢語でチンと読むものは、殆んどの場合、
日本語音読ではキンと読むことになっています。
このような字は、極めて多いので若干だけを例示すると、
今、斤、筋、金、錦などがあります。
つまり、ワキバラとは、腕近腹の多少の訛り読みであり、
直訳すると「腕に近い腹(部分)」の意味になり、
これがこの言葉の語源と思われます。
江副水城『人体語源と新音義説』 鳥影社
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