Baby Steps

ゆっくりと歩む日々の眺めと言の葉

姿勢調節の基本は、

頭部を重力に対して正しい方向に保持すること。

 

頸筋を含めた固有背筋は抗重力筋に属し

私たちが重力のもとで

姿勢の調節をしながら動くために

極めて重要な役割を果たしているが

その抗重力筋の制御にとって

前庭系が最も重要な役割を果たしている。

 

フィードバック制御を中心とした

ローカルなレベルでの制御と同時に

体性感覚系・視覚系・前庭系を含んだ

より高次の制御系が

これらの系をさらに統合的に調節するように働いている。

 

前庭系への刺激という要素もある 

顎のワークでの頷く動き

寝返りや這う動き

それらを通じての

体幹に対して頭部を調節する頸筋の働き

体幹を四肢に対して調節する働き

地面に対して体を支えるための四肢の筋の働き

を統合する過程の「おさらい」は結構楽しいもの

いや、人間は楽しいと感じるようにできているのだ。

「楽しい」とは子どもが感覚統合を表現する言葉である。
(A・ジーン・エアーズ)

 

上記に引用させていただいた、

A・ジーン・エアーズ 著
『子どもの隠れたつまずきを理解する 感覚統合の発達と支援』/金子書房

よりご参考まで。

 

感覚統合の発達

感覚統合は、子宮内で胎児の脳が母親の身体の動きを感知するところから始まる。ハイハイができ、立ち上がれるようになるまでには、膨大な量の感覚統合が生じ、発達する必要があるが、これが生まれてから1年のうちに起きる。小児期の遊びはたくさんの感覚統合を引き起こし,その中で子どもは、視覚や聴覚とともに身体と重力の感覚を組織化する。字を読むには、目や、目と首の筋肉、内耳の中にある特殊な感覚器官から得られる感覚の非常に複雑な統合が必要になる。
ダンサーや体操選手は、身体と重力との非常にすぐれた統合を発達させるので、優雅な動きができるようになる。芸術家や工芸家は、目と手の感覚の統合を頼りにする。落ち着いていて幸せな人は、神経系の統合が良好な場合が多い。大部分の人は、平均的な量の感覚統合があれば何とかやっていける。

 

目と首の筋肉への影響

目と首の筋肉は、前庭系の組織化に特に重要な役割を果たす。目と首の筋肉の反応は乳児の最初の感覚運動機能に含まれるもので、その他の身体部分の感覚運動発達の基礎になる。大人の場合でも、感覚運動系の大部分は目や首と協調して働く。目や首からのわずかなインパルスが、身体全体の一連の筋収縮の変化を引き起こすこともある。

 

楽しいということ

脳の感覚統合機能が十分に発達し、環境からの要求に応えられる場合、子どもは効率的かつ独創的で、満足のいく反応をすることができる。問題にぶつかっても、それにうまく対応できれば、子どもはむしろ「楽しい」と感じる。ある意味では、「楽しい」とは子どもが感覚統合を表現する言葉である。感覚を組織化することで私たちは大きな満足を感じるし、それまでにしたことがないような成熟した、あるいは複雑な適応反応で感覚に対応できたとき、満足感はさらに大きくなる。これが成長するということなのだ。

人間は、脳の発達を促進させる物事を楽しいと感じるようにできているので、脳の組織化を助ける感覚を自然と求める。

 

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