Baby Steps

ゆっくりと歩む日々の眺めと言の葉

仕事が激減している分、実家に足を運ぶ機会が増えた今月。
食品や日用品の買い出しの際に、なるべく母が公共交通機関を使わずに済むようにしたいという考えがあるのがその理由のひとつだが、心疾患のある父とは念の為接触の時間を少なくし、距離を保ちたいから必然的に「庭仕事」の時間が多くなる。

草刈りをしていると、いつもやってくる野鳥たちが遠巻きにその様子を伺っている気配を感じたり、植物の勢いに勇気付けられたり、自然の中で淡々と行為する時間に私自身の心身も調律されている。

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「真剣に対峙する」ということと「深刻になる」ということは違う。
後者ばかりを煽るメディアに、果たして誠実さはあるだろうか。

100%のイエス、でなければ100%のノーという考えかたは、信じることができない。あれかこれかという二分法の思考で事を簡単にすることは、どんなにたやすくとも、たやすいぶんだけ、言葉をうそハッタリにしてしまう。言葉の材料は、51%のイエスと、そして49%のノーなのだ。信じられるのは、49%のノーを胸に、51%のイエスをいおうとしている言葉だけだ。

『感受性の領分』長田 弘 岩波書店
「神の派遣したスパイ」より

戦うだとか、最前線だとか、
戦争のことばで、語ることはよそう。
たとえ愚かにしか、生きられなくても、
愚かな賢者のように、生きようと思わない。
We must love one another or die.
わたしたちは、
愚か者として生きるべきである。
賢い愚か者として生きるべきである。
明窓半月、本を置いて眠る。

『世界はうつくしいと』長田 弘 みすず書房
「We must love one another or die」より

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