Baby Steps

ゆっくりと歩む日々の眺めと言の葉

レンマ学を読み込んでいくほどに、三木茂夫氏の『ヒトのからだ』に載っていた図や「植物性器官」「植物極・動物極」についての一節が鮮やかに蘇ってくる。

今はまだ、その腑に落ちるような感触を言葉に切り取るのはやめておこうと思うが、四つ這いで動き続けてきた時間の中で生じてきた感覚とそれらが自分の中でまた網のように編まれていく感慨を覚える週末だ。

二 植物性器官の重心は、動物性器官の重心よりも、つねに腹側に位置する。すなわち両者は、たがいに腹背の関係を示すのであって、東洋医学では、古くからこの関係を“陰陽”の言葉で表現しているのが注目される。この関係は前にも述べたように、すでに卵の時代から運命づけられていたことであって“大地に向かう”植物極と、“天上に向かう”動物極のすがたは、この二器官のゆくえをきわめて象徴的に示すものといえるであろう。

個体発生の場合図I-20の右をながめてみよう。これは一個の卵細胞が、しだいに分裂をくり返してゴムボールのような球になり(胞胚)、さらにこの一方がへこんで、おわんのような形(腸胚・原腸胚・嚢胚)になったところを示している。
「さて、このおわんのようなものは、クラゲのカップと同じ意味をもっており、そのくぼみは〈原腸〉、口は〈原口〉とよばれる。
ところで、このおわんをつくる内外の細胞層は、それぞれ内胚葉(植物性)および外胚葉(動物性)に相当するものであって、しかも、この二つの細胞層は、胞胚の時代にそれぞれ南半球と北半球とをしめていたことから、この胞胚の南極を〈植物極〉、北極を〈動物極〉とよぶ。
「すなわち、大地に面した部分から植物性器官がつくられ、天に向かった部分から動物性器官がつくられるのである。

『ヒトのからだ − 生物史的考察』三木茂夫 うすぶな書院

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