Baby Steps

ゆっくりと歩む日々の眺めと言の葉

砂浜や芝生、様々な地面を裸足で歩くと

足裏が目覚めるほどに脚が心地よく軽やかになっていく。

 

子どもの頃、波打ち際に佇んでいると

波が引いていく時の足裏の砂や水の動きの感触や

目に映る眺めからか

全く動いていないのに

後ろに動く歩道にでも乗っているかのような

錯覚の感触を不思議に思った時のことを思い出した。

感じていることが

必ずしもリアルではないかもしれないと

子どもなりに仄かに思い

目を開けたり閉じたりして確かめようとした記憶。

 

実際、見ることに於いても

錯視図形などを見た時などに気付かされるように

私たちは網膜に映ったものを

そのまま視ているわけではない。

 

3ヶ月頃の赤ちゃんと

5〜6ヶ月頃の赤ちゃん、7〜8ヶ月頃の赤ちゃんでも

まずは動きを見ることから始まり

2次元の形の認識から、3次元の物体認知へと

その発達段階によって視覚世界が違うように

この物質の世界で生きていくために

見ることを学習して視覚世界を築き上げてきているのだ。

 

それを新たに築こうとすれば

既に獲得しているものの隙間を開き

新たな知覚の生起を待つような過程がある。

  

一度獲得した動きを新たにしていくという試みに於いても

概念の理解や意識的努力だけで

それが再構築されるようなものではなく

ある種の行のように

行為し続けることを通じて

生起してくるのを待つということを要求されたように。

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