Baby Steps

ゆっくりと歩む日々の眺めと言の葉

南西から北東へと伸びた雲の道。

この冬は、まるで空を渡る道のように

長く伸びた雲を目にすることが多い気がするが

今日は雲ひとつない青空の朝。

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雲と光が描くドラマティックな眺めも好きだが

一面の青が内に奥深く

涼やかに浸透してくるような

空を感じることも好きだ。

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読書(備忘録として)

『辺境の輝きー日本文化の深層をゆく』から。

沖浦 天変地異をもたらす大自然は恐ろしい。既存の秩序を破壊してしまう。古代まではそれは悪霊のしわざとされ、これが穢れと呼ばれたんですね。けれども、他方では、いろいろな天地の恵みや海山の賜物をくれるのも、またこの大自然でしょう。

五木 「悪」という言葉がそうですよね。「良くない」と同時に、「すごい」「たけだけしく強い」、そういう両義がある。

沖浦 そういうことです。〈聖・俗・穢〉が、まだはっきり分化されていない混沌たる太古の時代では、「聖なるもの」も「穢れ」も、はかり知れぬ大自然の威力の、プラスとマイナスのそれぞれの一面の表象でした。

五木 その〈聖〉と〈穢〉の両方が、未分化のまま芸能の世界へ入ってきているわけですね。

沖浦 おっしゃる通りです。日本の芸能の歴史には、そのような混沌の時代からの残像がずっとあったんですよ。

五木寛之・沖浦和光『辺境の輝きー日本文化の深層をゆく』ちくま文庫

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