
November Stepsからの徒然
2021/11/07
週末などに時折
義父の聴く武満徹氏の曲が流れてくるが
立冬の日に聞こえてきたのは
November Steps
まもなく92歳を迎える義父は
それが専門では無いけれど作曲もし
かつてはピアノもよく弾いていたが
今は専ら、そうして時折
武満氏の作品を聴く事が
音を楽しむひと時のようだ。
武満作品では
私は『ピアニストのためのコロナ』をよく聴く。
Roger Woodward氏演奏のものは
スタジオ録音盤もあるが
Liveバージョンの方が
より奥行きのある音空間や
長い「間」にも
空虚な無音では無い「しじま」を感じるから好き。
コロナといえばウィルスになってしまって
なんだかな~なここ数年だが^^;
そのタイトルはこの曲が
いわゆる五線譜では無く
武満氏とデザイナーの杉浦康平氏によって
グラフィックスコアで描かれた作品であり
(スコア自体もアートだ)
下の動画などを観ると
太陽コロナのイメージがわかりやすいかと思う。
その図形的なスコアという
最低限の情報が
ピアノという楽器の使い方すら自由という
演奏家たちの創造に委ねられた時
多様に生起してくる音楽からは
かつて、チリの生物学者マトゥラーナらが
設計図なしの家作りに喩えて
オートポイエーシスを説明した様に
私は生命のはたらきを「聴いて」いるかの様にも
イメージの中に
生じては消え、移ろう図形を
「描かれて」いる様にも感じる。
この記事へのコメントは終了しました。
コメント