Baby Steps

ゆっくりと歩む日々の眺めと言の葉

週末などに時折

義父の聴く武満徹氏の曲が流れてくるが

立冬の日に聞こえてきたのは

November Steps

 

まもなく92歳を迎える義父は

それが専門では無いけれど作曲もし

かつてはピアノもよく弾いていたが

今は専ら、そうして時折

武満氏の作品を聴く事が

音を楽しむひと時のようだ。

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武満作品では

私は『ピアニストのためのコロナ』をよく聴く。

 

Roger Woodward氏演奏のものは

スタジオ録音盤もあるが

Liveバージョンの方が

より奥行きのある音空間や

長い「間」にも

空虚な無音では無い「しじま」を感じるから好き。

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コロナといえばウィルスになってしまって

なんだかな~なここ数年だが^^;

そのタイトルはこの曲が

いわゆる五線譜では無く

武満氏とデザイナーの杉浦康平氏によって

グラフィックスコアで描かれた作品であり

スコア自体もアートだ)

下の動画などを観ると

太陽コロナのイメージがわかりやすいかと思う。

 

その図形的なスコアという

最低限の情報が

ピアノという楽器の使い方すら自由という

演奏家たちの創造に委ねられた時

多様に生起してくる音楽からは

かつて、チリの生物学者マトゥラーナらが

設計図なしの家作りに喩えて

オートポイエーシスを説明した様に

私は生命のはたらきを「聴いて」いるかの様にも

イメージの中に

生じては消え、移ろう図形を

「描かれて」いる様にも感じる。

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