身体と空間③
2021/12/12
身体と空間で面白さを感じるのは
やはり即興で踊る時だ。
最近はメロディラインが主のものより
パーカッションや太鼓などリズム主体の音源が好き。
それは、夏のある日
どこかから太鼓の練習をしている音が聞こえてきて
まさに生命を鼓舞するようなその響きに
太鼓の音っていいなあと改めて感じてから。
即興とはいえ
最初にスペースと大まかな軌道はイメージする。
ボーシャン=フイエの記譜ほどではないが
床に描かれる軌道と
例えば肘、指先、足先、あるいは骨盤、肩など
身体の部位が空間に描く曲線や直線
踊るというよりはむしろ
その空間に身体で絵を描いているような感覚であったり
草書を書くようであったり。
例えば「心」という文字を
アームスで書いてみる。
文字の形に導かれて
腕が運ばれるとき
全身はどのように連動したがるのか
振りというより
より自然な動きやリズムを
身体に聴いていくようなひと時。
ふと気づくと無心になっている。
横に流れていた時が
奥行きの中に畳み込まれたような
その静けさに出会いたくて踊っているのかな。
それにしても、フイエの舞踊譜などは
それ自体が美しいなと思うし
まさに西洋の様式美。
By baldwinn - Reproduction taken from Malkin & Belanger, et al: "Dancing by the Book", of 1721 original engraving, CC0, Link
ただ、最近は
それこそ書であるとか
水墨画のような余白を味わうダンスに
やはり心惹かれる。
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