Baby Steps

ゆっくりと歩む日々の眺めと言の葉

年末年始のお楽しみにと言いつつ、ちらっと目を通した序章から面白くて、既に読み始めてしまった『音と脳』^^;;

上海出身の知人が普段日本語で会話している時の声と、ご家族と上海語で話している時の声がずいぶん違うと感じたことや、
バイリンガルでは無い私自身でさえも、タイ語で話すときは何故かピッチが下がることなど
不思議だなと思いつつも、放置されていた小さな問いが引き出しの奥から掘り起こされたよう。


中国語のように声調〔音節内の音の高低〕がある言語では、ピッチ(音の高さ)が平坦なのか、下降するか、上昇するかによって、同じ音節でも別の意味を持つ。それゆえ、中国語話者は英語話者よりも、こうしたピッチの手がかりを符号化するために脳のリソースをせっせと使っている。すると、音と脳のチームワークがときとともに音に対する脳の反応を変える。つまり、配線し直される。

ニーナ・クラウス『音と脳 音は私たちを変える』紀伊國屋書店 17ページ


タイ語も声調がある言語(挿絵にタイ語のサワディが描かれているように)
脳の反応も配線し直されているのか…
と、タイ語学習の初期に、例えば「マー」という短い言葉も4つある声調のどれかで意味が全く変わり、それを聞き分けたり、発音しわけたりを繰り返したことを思い出したりもした。
 
バンコク在住中、周りのタイ人の方のピッチに触れてそのピッチに慣れたのもあるだろうが、
声調のある言語の低声から高声までの幅を使い分けるのに出しやすいピッチに自然と落ち着いていったのかもしれない。

人間の声を例にとろう。話し声の基本周波数は、およそ五〇~三〇〇ヘルツだ。これは、息によって動かされた声帯が開いたり閉じたりする速度に対応する。声帯の開閉する速度は、男性では遅いので太い声になり、子供では速いので高い声になるというわけだ。興味深いことに、声のピッチは個人や性別によって異なるだけではない。驚くべきことに、異なる言話を話す人たちの間でも、話す言語は同じでも年齢、居住地、人種などの人口統計学的特性が異なる人たちの間でも、基本周波数の違いがたいてい見られる。バイリンガルの人が一方の言語で話すときのほうが高いピッチになることに、気づいたこともあるかもしれないし、自分がそうだという人もいるだろう。

ニーナ・クラウス『音と脳 音は私たちを変える』紀伊國屋書店 27ページ


と、今この本に集中すると
年内にやるべきことが終わりそうも無いので
暫しお預けだ^^;

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