前置きの言葉
2026/07/31
若い生徒さん達が自分の感じたことを話す際に、「関係ないかもしれませんが…」という様な前置きが入ることがある。
正解を答えなければいけないと考えているか、否定されるリスクを回避しようとする様な心理が、もしかしたらその背景にはあるのかもしれない。
でも、少なくとも自身の身体で感じたことに正解も不正解も無いし、「私はこう感じた」という事実を臆することなく表現できる事も大切だと思う。
そして、それは私にとっても大切な情報であり、新たな発見であったり、場合によってはアプローチや表現の仕方を変えるヒントにもなるから。
そういえば以前、高校生の生徒さんと小臀筋をテーマにしたワークをした時も、少し間をおいてからその様な前置きをしつつ「前腿(大腿直筋を触れながら)がすごくスルッと軽いです!」と話してくれた事があった。
間をおいたのは多分、自身の身体の中に生じた微細な感覚を咀嚼し、言葉として翻訳するまでのとても意義ある時間がそこにはあったからだと感じたし、ピントはずれだったら恥ずかしいという逡巡の時間でもあったかもしれないが、事前の知識が無くとも小臀筋と大腿直筋の繋がりを感じ取れた事は素晴らしいと思った。
だから、「関係大有りだよ!実は小臀筋と大腿直筋には繋がりがあるの。それが感じ取れたんだね!」と、少しその構造についての図を見てもらったりもしたところ、「わ!面白い!こんな風に繋がってるんだ!」と目を輝かせて感心していた。
その後も「お尻や腿の横って冷たいものだと思ってたけど、最近温かくなってる気がする。」とか、「足先が冷えなくなった。」などと感じたままを伝えてくれ(それも大いに関係あり)、そういうことを繰り返すうちに前置きの言葉は不要になっていった。

https://journals.viamedica.pl/folia_morphologica/article/viewFile/16071/12709 より画像引用/一部改変
ボディワークの時間は正解探しではなく、自身の身体に生じることに意識を澄ませ、時にそれに自分の言葉を与える事で付箋をつけていくこともとても大切な過程なのだと思う。
そして、私自身も都度のレッスンの中でそれができる様な環境を整えていく事がとても大事なのだと改めて感じ、学ばせて戴けた機会だった。


この記事へのコメントは終了しました。
コメント