Baby Steps

ゆっくりと歩む日々の眺めと言の葉

薄曇りの春の朝、父は安らかに永眠。

 

介護認定5の通知が届いた翌日だったが、わずか10日間でも願い通り自宅で過ごせ、訪問診療や看護の方々に支えられながら、家族で看取ることができて幸いだったと思う。

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前日は言葉も出にくくなっていたのだが、夜夢うつつの中で左手を挙げながら「スタンバイ!」と言っていたとのことで、母が聞き取れたのはそれだけで「何で英語?」と思ったそうだが、もしかしたらそれは「Stand by Sailing!」だったのかもしれない。

父は若い頃に情熱を燃やしたヨットで帆走する夢を見ていたのではないだろうか…

数年前、大事にしていた大学生時代の写真を父から託されたことを思い出しながら、そう感じた。

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午後になって降り出した涙雨の中、きっと父は大好きなヨットで出立したのだろうと思いながら遅咲きの梅を見上げた。

 

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