Baby Steps

ゆっくりと歩む日々の眺めと言の葉

年の瀬の月冴え渡る夜空のもと

消防団の火の用心のアナウンスの声

車やバイクの音、救急車のサイレン

電車の音に上空を行き交う飛行機の音と

多様な音が立体的に重なり合う晩

この一年の様々な出来事を思い出しながら

とても密度が高かった様でもあり

その時間は長くとも短くとも括れない様な気がした。

 

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毎年年末になると弁松の錦たまごを買いに出かける日本橋。

父が心臓の一部を切除する手術をした年から

神田鍛冶町の商家に生まれ育った父の

幼少期のお正月を思い出す味の楽しみが

その心身に少しでも善き影響があればと

10年ほど続いてきた習慣。

 

父の喜ぶ顔が見たいという想いもあったし

その行為自体が祈りの様なものでもあった。

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昨年の今頃は、もう殆ど食べることができない体調だったが

それでも一切れ二切れ食べてくれたことが

妙に嬉しかったのと

それが最後になる予感もしていたことを思い出す。

 

父は春に帰らぬ人となってしまったが

今年もやはり行くことにした。

 

それは追悼でもあり、感謝でもあり

生前父が案じていた母のこれからを

支えていくから安心してねという想いを届ける

年に一度のささやかな形として

続けていこうと思ったから。

  

独りになってしまった母も

今年の大晦日から元旦にかけては

我が家に泊まりで来てもらって

義母と母と私達の4人で年越しをする予定。

 

長年続いた介護と

昨年末から春まで緊張が途切れなかったであろう看取りの日々

交感神経優位の闘争逃走モードが

抜けた後の母はやはり

シャットダウンモードと感じる様な症状が見受けられるこの頃で

独りの時間が続いた時に体調が低下する傾向もあるので

実家に顔を出す機会をなるべく多く取る様にしているが

いつもとちょっと違う年末年始の時間が

義母と母にとって楽しい時間となり

新しい一年を少しでも穏やかに

健やかに過ごせるきっかけとなりますように。

 

どうぞ良いお年をお迎え下さい

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