Baby Steps

ゆっくりと歩む日々の眺めと言の葉

母が最初の白内障の手術を終え


翌日、術後用の眼帯がとれ


目が多少馴染んできた時に言った

「世界が青い。新生児の目になったかしら(笑)」

という言葉が印象に残った。

 

ブルービジョン(青視症)と呼ばれ


白内障の手術後はよく現れることで

加齢とともに黄色味を帯びてきていた水晶体が

クリアなレンズに変わることによって

若い頃と同じように

多くの青色光が入射するようになり

青い色が鮮やかに見えるようになるためだそうで

数日から数週間

場合によっては数ヶ月かかる場合もあるらしいが


馴染んでいくものらしい。

 

黄色味がかってくるのは

加齢とともに生じる

タンパク質の変性によるものだそうだが


きっと私も幼い頃とは随分違う

色彩体験になっているのだろうと思いながら

その母の一言をきっかけに

肉体を拠り所に

見て、感じているつもりの世界について

またひとつ考えさせられ

眼精至って小なれども
能く遍虚の物を照らす

という空海の言葉を思い出したりもした。

 

昨日で手術が無事終わり
眼帯が取れる今日は

またきっと
母はその差異を鮮やかに感じるのだろう。

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2度目の手術終了の瞬間。

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