
コトのハ
2021/01/15
今読んでいる本の中で
一音一音の意味について触れられた章があるのだが
何か今とても心にスッと入ってくる言葉があった。
日本語は、一音一音が意味をもっており、活きてハタラキます。
「ハ」の音は、字形にも表れているように、広がり行くハタラキを表します。
冬の間閉じこもっていた生命のハタラキが、
時が至るとハで展開してルで循環運行してゆくのがハル(春)です。
植物の生命のハタラキが展開してゆくその先にあるのがハ(葉)であり、
ハの先に色鮮やかにナ(成)り出しナ(鳴)り出すのがハナ(花)です。
はたらきという言葉は
私自身も日頃よく使う言葉だが
「ハタラキ」の「ハ」は、本源世界のエネルギーの展開
「タ」は突き抜ける力
「ラ」は循環運行
「キ」は気というエネルギー
という意味があると著者は言う。
つまり、ハタラキとは、 本源世界のエネルギーが展開し、現象界に至るまで何段階もの階層を突き抜けて、勢力を弱めることなく循環運行し、ついに現象界へ出て来たそのエネルギーを表します。 それを考えれば、神即ち宇宙エネルギー即ちハタラキと見なすことも出来るでしょう。
昌原容成『日本語は神である: 日本精神と日本文化のアップダウン構造』
一音一音にそのような意味があると知って
その言葉を語る時、聴くとき
同じ言葉から想起される世界は
もっと活き活きとした動きを持ってくるような気がしないだろうか。
一段と寒さの厳しい朝
ベランダの手すりに張った氷が
うっすらと空の青を映していた。
こんなちっぽけな水たまりが
その相を変えることで見せてくれる美によって
1日が潤いもするし
キリリと冷たい空気の中だから
梅や桜の芽の動きに
確かに春へと向かっていくエネルギーを感じる
ささやかな喜びもある冬の日。
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