朝、玄関のドアを開けるとフワリと漂ってくる金木犀の香り。

本格的に秋の扉が開いたと感じるのはそんな時だ。

強く香るのはほんの数日でも、その甘美な移ろいの挨拶を自然から受け取る時、自分の心身も秋の音程、秋のリズムに馴染んでいく。

長女が嫁いで数日は、心にしろ空間にしろ、何かポッカリと空いた感覚が自分でも意外だったが、子ども部屋として使っていたスペースを今度は私自身のスペースとして用いるための作業を進める内に、不用品の整理もだいぶ進み、広がったスキマを抜ける秋風の爽やかさが心地よい。

大きな家具を処分したら、実家に預けたままのバーも再び迎え入れようかと思う。

それと時を合わせる様に、騙し騙し使っていた冷蔵庫も寿命を迎えた。

2階というだけでなく、キッチンのカウンター越えという難関もあり、納品の際は搬入経路確保のためにリビングも含めた家具類も大移動やむなしという大掛かりな事態になるので、以前買い替えた際には「あ〜、この作業2度としたく無い;;;」などと思った事をまだ十数年位前の様に感じていたが、改めて購入時の書類を見てみたら、なんと28年前だった^^;

30年近く我が家の暮らしを支えてくれた冷蔵庫、最後に改めて感謝しつつ可能な限り綺麗に拭き上げながら、ますます新しいフェーズが始まる実感もあった。

庭に猫のお客様（笑）