顔を正面に向けて

目だけを左右に動かす。

ただ、それだけのことでも

気付いていなかった小さな違いがあったりする。

そこには、どんな違いがあるだろうか。

動かしにくい感じだろうか。

微妙に波打つような眼球の動きの感触だろうか。

今度は、その目の動きに

頸の動きも連動させてみる。

違いはあるだろうか。

あるとしたら何故だろうか。

では、下顎や

肩や胸郭など

体幹の状態を変化させてみたら

それらの違いに変化は生じるだろうか。

目の動かしにくさや

頭部を左右に回旋させる動きの癖も

必ずしも、目の周囲や

頸の周囲の問題だけではない事を発見する。

それはもちろん

ダンスの動きの中でも

表れていることかもしれないが

それ以前に

些細な動きや働きも

全体の中で関わり合いながら

成り立っているという感触の発見に

活き活きと動く感情を体験することを

大切にしたい。

その感情の動きもまた

記憶を助けるものだから。

春の光を受け

その輪郭をきわやかにした

薔薇の表情と

そこから香り立つような気品

慈しみ、育み続けることの中で

出合える至福。