
自律神経系レベルでの共鳴
2025/05/03
ポリヴェーガル理論の中で、「ニューロセプションが危険か安心か判断している」という表現がある。
それは私たちの自律神経系が相手の自律神経系の状態をキャッチしている…つまり、考えや意志のレベルではない意識に上らない情報処理によって判断や決断をしているということだという。
特に社会的交流のシステムと呼ばれている腹側迷走神経複合体は安心を察知し、共鳴し合うと考えられている。
それはまだ言葉を知らない赤ちゃんや、群で暮らすことで生き延びてきた犬のような動物の反応を思い浮かべても頷けるように思う。
言葉や意識的な態度では取り繕えないレベルで、伝わり響き合っているのなら、
心理的な面からの介入ではない身体的な面からの介入でも
少なくともまず自分自身の腹側迷走神経複合体が適切に働いている状態にあるということが大事なのだろう。
ポリヴェーガル理論を一般の方でもわかりやすく、よくまとめられた本がある。
その中で腹側迷走神経複合体を活性化させる方法として
あいうべ体躁やうがい・鼻うがいといった顔、口、舌、喉へのアプローチ
スワイショウのような揺らぎの動き、
緊張と弛緩の繰り返しという揺らぎ
タッチ(触れること)の効用などもあげられている。
サロンで施術を主としたセッションを行なっていた頃
用いていたいくつかのアプローチともそれらは重なる。
相手を変えようというような意識は邪魔になり
揺らぎやタッチの心地よさを
こちらも自然と共有しているような時
相手の身体も開くといつも感じていたが
この3つの自律神経系それぞれのはたらきや
自律神経系レベルでの共鳴として考えると
改めて腑に落ちるように思う。
春から夏への移ろいを告げるような嵐が通り過ぎた朝
今シーズン初の薔薇が咲いた。
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